先ずは、編集作業中に起きた東日本大震災の犠牲者の方々のご冥福をお祈り申し上げます。
横浜も随分と揺れました。会社近くの公園は建物から避難した人々で溢れ、深夜まで国道は車の渋滞が続き、両脇の歩道を黙々と歩いて帰宅する人々の列が昨日のことのように思出されます。
小社は先に「日本の物語・お話絵本登場人物索引」「世界の物語・お話絵本登場人物索引」を遡及版と合わせ各2点ずつ刊行しましたが、その際図書館の職員の方々から「テーマやジャンルから絵本を探せるツールがあったら便利なんですが」というお話を何度か頂戴致しました。社内で検討の結果、今まで刊行してきた「登場人物索引」シリーズは、一点一点の現物調査を基に作業を行ってきたものなので、これらを分類することも何とか出来るのではないかと考え、2009年3月頃から入力フォーマットの作成など下準備を開始し、同年9月から本格的に分類の作業に入りました。
それからは、物語・お話絵本の一点一点につきテ―マ・ジャンルの見出しを立て、分類作業を行いながら見出しの調整をし、そしてまた分類作業を行うというくり返しで、試行錯誤を重ねつつ概ね見出しを設定し、グループ化・順位付けをするところまで辿り着きました。 途中「歴史・時代小説登場人物索引2000-2009」の編集作業と並行しつつ延々と分類作業と見出し調整を続け、今年8月にようやく校了に至った次第です。
テーマ・ジャンルの分類作業を行う際には、とにかく絵本をさがすツールとしての「使いやすさ」「調べやすさ」という点に重点をおき、見出しの設定やグループ化・順位付けを行いました。その際には児童書や絵本についてのブックガイドや各種レファレンス資料、また児童関連のインターネットサイトなどを参考にし、その中でも特に公共・大学の各図書館で独自に行われている児童書や絵本の分類事例を参考とさせていただきました。
分類を終えての結果は、「子どもの世界・生活」と「動物」に分類された絵本が多く、また「動物」はほとんどが子どもや家族を擬人化したもので、内容的にはやはり子どもの世界や生活を取り上げた絵本が最も多くなりました。中でも家族や親子関係、学校、幼稚園・保育園を扱ったものや育児・子育て、行事、友達・仲間、遊びに関わるような絵本が多く、本書ではそれらに「両親の離婚」や「たべもののすききらい」「節分」「ハロウィーン」「かくれんぼ」などの見出しを立て、探している絵本を直截的に見つけ出せるように出来るだけ細かく分類しました。
日本や外国の民話・昔話・名作についても、「ももたろう」や「赤ずきん」などの作品名や地域や国名などからも探せるようにしました。また「動物」についても同じく、鳥や虫や魚などの個々の名前も出来るだけ見出しに立てました。そのほか「架架のもの・ファンタジー」「乗り物」などについても「かっぱ」「トロル」「トラック・ダンプカー」などの個々の見出しを立て、読みたい絵本を探しやすいようにしました。
環境問題、戦争と平和、人権・差別などの社会問題、人と仕事・生活などについても作品点数はそれほど多くはなくても、大変に重要なテーマでもあるので読み聞かせなどに使えるようにできるだけテーマ別に細かく分類しました。
本書が絵本ファンの読書案内としてだけでなく、図書館員のレファレンスツールや絵本の読み聞かせやお話会などの参考資料としてご活用頂ければ幸いです。

正直、大変根気のいる編集作業でした。この間社内でも、出張などで移動中の新幹線の中などでも常に働かされ続けたノート・パソコンが、版下を出し終わった後、まるで役目を果たし終えて「もうだめだ……」と声をあげたかのように、「グシュ、グニュ…」の音とともに二度と動かなくなりました。製造元の診断でも「もう寿命ですね…」と言われました。 もしパソコン供養というようなものがあるなら供養してやりたいものです…
(2011年10月)