10年ぶりに「歴史・時代小説登場人物索引」の「アンソロジー篇」と「単行本篇」の継続版を刊行することが出来ました。編集作業に入り、2000年から10年という年月が過ぎたことを小説の収集・採録の段階で改めて知らされました。前版では収録がなかった新しい作家が数多く登場し、世相を反映してか、「仕置人」「闇始末」「裏稼業」「用心棒」などがつく作品のシリーズものが多くなり、高齢化社会にあってどっと定年を迎えた団塊の世代向けに刊行されたような、元気な老人達が活躍する作品があったり、その一方で若者世代向けのシュミレーション的な戦国時代の小説があったりして、小説というものが10年の間にも大きく動いていっているのを目の当たりにするような思いでした。他には、女性作家が増えたのと連動するのか、女性を主人公にした作品が多くなっていて、小説の舞台を小樽など地方の街に限定した何ともいえない哀愁が漂う作品があったりして、前版の編集作業の時にはなかったような作品に出会えました。また、司馬遼太郎や井上靖などの作品が数多く復刊されていて、史料に丹念にあたる作風を継承する若い作家の作品もあって、歴史・時代小説全般、登場人物もバラエティ溢れるものになってきているという印象を受けました。
もう一つ、2000年以降一段と増えたのは、出版不況の影響なのか、自費出版・共同出版といった形態のもので、こうした作品については図書館の選定・所蔵状況に沿って採録しました。

「アンソロジー篇2000-2009」の刊行から延々と編集作業が続きましたが、校了直後に開かれた「図書館総合展・学術情報オープンサミット2010」への出展も終えた後、何とか「単行本篇2000-2009」を年内に刊行することが出来ました。
たいへん遅くなりましたことを心よりお詫び申し上げます。また、10年ぶりに継続版を刊行出来ましたことを編者として嬉しく思うとともに顧客の皆様方には厚く御礼申し上げます。
(2010年12月)